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理事長挨拶

このたび2019年10月4日開催の理事会において、重松宏前理事長ご勇退の跡を継ぎ、一般社団法人日本リンパ浮腫治療学会の理事長を拝命いたしました。私には身にあまる重責ではありますが、理事長という名誉ある立場をいただけたことに心より感謝し、本学会役員の皆様とともに職務を全うさせていただく所存です。

私は1989年に徳島大学を卒業し、加藤逸夫教授(現徳島大学名誉教授)に師事して心臓血管外科に入局した時からリンパ浮腫の診療にたずさわりました。当時徳島大学では、「リンパ球動注療法」とともに複合的治療を取り入れて治療していました。その後臨床経験を積み2000年に「通院・入院で複合的治療を行う」ために開業しました。当時は口コミやインターネットを頼りに患者が自力で当院にたどり着く状態でした。また弾性着衣も保険の恩恵を受けられず、リンパ浮腫患者は大変負担が大きい時代でした。開業後私がいろいろな学会で複合的治療の有用性を報告し、徐々に「リンパ浮腫に有効な治療法」として普及し始めました。 リンパ浮腫診療が普及した大きな転機は、2008年の「リンパ浮腫指導管理料」保険収載と「弾性着衣・弾性包帯の療養費給付」でした。その後全国でリンパ浮腫に関する講習会が開催され、リンパ浮腫治療に携わる医療従事者を養成する教育機関も増加しました。こうした状況の中で、リンパ浮腫治療の知識や技術の均てん化が必要となり、「リンパ浮腫の複合的治療を中心にリンパ浮腫の診療に従事するに必要な、専門知識・技術水準をもった専門家=リンパ浮腫療法士(Lymphedema Therapist : LT)」を認定して育成するため、日本脈管学会・日本血管外科学会・日本静脈学会・日本リンパ学会・日本フットケア学会によりリンパ浮腫療法士認定機構が2012年に設立されました。既に1000名を超えるLTが、全国47都道府県全域で認定されています。 本学会はリンパ浮腫療法士認定機構を中心に、「リンパ浮腫に対する治療について、臨床的、科学的、社会的、経済的など、多角的に、より深化した討議を行う場」として、2016年に設立されました。同年東京で第1回学術総会が開催されたのち、第2回大阪・第3回横浜・第4回淡路とリンパ浮腫にかかわるいろいろなテーマで議論して情報提供や問題提起もされる有意義な学術総会が行われました。その結果2019年7月末現在の一般会員数は838名と徐々に増加しています。2016年には待望の複合的治療が保険収載されましたが、以上のようなリンパ浮腫に関連した大きな変革は、重松前理事長の強いリーダーシップがなければ実現しなかったと考えます。

現在学会内にはリンパ浮腫療法士育成委員会が設置され、資格の名称も「リンパ浮腫治療学会認定リンパ浮腫療法士」とし、日本脈管学会・日本血管外科学会・日本静脈学会・日本フットケア・足病医学会の協力を得ながら、本学会主導の下、年に2回「症例から学ぶリンパ浮腫治療講習会」と「教育セミナー」を開催し、年1回LT認定試験を行うなど、LTの育成と教育の充実を図っています。その他各委員会でリンパ浮腫関連のガイドラインや用語解説集の作成、海外関連学会の報告など積極的に活動する予定です。また続発性リンパ浮腫の診断基準や臨床面を重視した病期分類なども検討できればと考えております。
重松前理事長が退任されるにあたり、「学会は患者のために存在する」というお話をされておりました。私に強いリーダーシップがあるわけではありませんが、臨床中心に30年以上多くのリンパ浮腫患者を診療し対話をしてきた経験を活かしながら、リンパ浮腫治療の臨床や研究されている皆様にご協力いただき、「リンパ浮腫に悩む患者のための学会」を目指したいと考えております。ご賛同いただける数多くの医療関係者の御参加を期待しています。

非営利型一般社団法人 日本リンパ浮腫治療学会
理事長 小川 佳宏

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